光回線の広告は月額料金を大きく出しますが、実際に最初に出ていくお金は月額だけではありません。契約事務手数料と工事費があります。
そして多くの窓口が「工事費実質無料」と書いています。この「実質」の2文字が曲者で、無料になっているわけではありません。仕組みを知らないまま途中で解約すると、思わぬ請求が来ます。
初期費用は契約事務手数料(3,300円が中心。ドコモ光は4,950円、ソフトバンク光はWeb申込で3,850円)+工事費(戸建て約22,000円・マンション約16,500円)が基本です。「工事費実質無料」は工事費を分割払いにして、同額を毎月割引で相殺する仕組みです。割引は契約が続いている間だけ続くので、分割が終わる前に解約すると残りが一括請求されます。総額は「月額×利用月数+事務手数料+工事費残債−キャッシュバック」で見てください。
スマホはどれ?GMOとくとくBB光の公式ページを見る公式サイトへ →PR・申し込み前にキャッシュバックの受け取り条件を確認できます
初期費用の内訳
新規で光回線を引くときにかかるのは、大きく2つです。
| 項目 | 金額の目安(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 契約事務手数料 | 3,300〜4,950円 | 3,300円の窓口が多いが、2025年にドコモ光とソフトバンク光が値上げ(下の表) |
| 工事費(戸建て) | 約22,000円 | 分割払いが基本(多くは24〜36回) |
| 工事費(マンション) | 約16,500円 | 同上 |
| 開通前レンタルWi-Fi | 0円〜 | 窓口によって無料貸出あり |
建物にすでに光回線の設備が入っていて、部屋まで配線が来ている場合は「無派遣工事」になり、費用が2,000〜3,000円程度で済むことがあります。作業員が来ず、機器を送ってもらって自分でつなぐだけです。マンションでは珍しくありません。
事務手数料は窓口でこれだけ違う
「事務手数料はどこも3,300円」と言われてきましたが、2025年にドコモ光とソフトバンク光が相次いで値上げしました。公式発表で確認できた額は次のとおりです。
| 回線 | 新規契約の事務手数料 | 改定日・条件 |
|---|---|---|
| ドコモ光 | 4,950円 | 2025年9月5日から(旧3,300円)。Webでの申し込みも同額。転用・事業者変更も改定の対象 |
| ソフトバンク光・SoftBank Air | 4,950円(Web・電話申込は3,850円) | 2025年8月20日から(旧3,300円)。移転・プラン変更も4,950円 |
| GMOとくとくBB光 | 3,300円 | 初月に請求(2026年10月確認) |
※ NTTドコモ(2025年8月5日)・ソフトバンク(2025年7月18日)の報道発表と、GMOとくとくBB光の公式サイトで確認。ほかの窓口の額は申し込み画面で確認してください。
差は最大1,650円なので、これだけで回線を選ぶほどの額ではありません。ただし2年総額を比べるときは、この差も入れておくと順位が正確になります。当サイトの2年総額シミュレーターは、2026年10月から社ごとの事務手数料で計算しています。
「実質無料」の仕組み
「工事費実質無料」は、工事費が請求されないという意味ではありません。実際にはこうなっています。
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1. 工事費が分割で請求される
例:22,000円を36回払い→毎月約611円が請求に乗ります。
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2. 同額が毎月割引される
毎月約611円の割引が入り、差し引きゼロになります。これが「実質」の中身です。
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3. 分割が終わると割引も終わる
36ヶ月使い切って、はじめて工事費の負担がゼロになります。
つまり「分割回数だけ使い続ける」ことが無料の条件です。ここが「無料」と「実質無料」の違いです。
途中解約したときの残債
36回払いのうち12ヶ月で解約すると、どうなるか。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 工事費(22,000円の36回払い) | 月611円 |
| 12ヶ月で支払い済み | 7,332円 |
| 残り24ヶ月分 | 14,668円が一括請求 |
| これに契約解除料が加わる場合 | +数千円〜 |
割引も同時に止まるので、相殺されずに残りがそのまま残債になります。短期で乗り換えるつもりなら、この点は必ず計算に入れてください。
引っ越しの予定がある、転職で住む場所が変わるかもしれない。そういう状況では、工事費の分割期間そのものがリスクになります。GMOとくとくBB光は契約期間の縛りと違約金がなく、月額は戸建て5,390円・マンション4,290円です。
総額の出し方
窓口を比べるときは、月額だけでなく次の式で出してください。
(月額 × 使う予定の月数)+ 事務手数料 + 工事費の残債 − キャッシュバック
ポイントは「使う予定の月数」を正直に入れることです。3年住む前提なら36ヶ月、2年で引っ越すかもしれないなら24ヶ月で計算します。24ヶ月で計算した瞬間、36回払いの窓口は工事費の残債が乗って順位が変わります。
キャッシュバックは受け取り条件も確認してください。受け取り手続きの案内が開通から11ヶ月目前後にメールで一度だけ届く、という設計の窓口があります。受け取れなければ総額はその分増えます。詳しくは光回線の乗り換え完全ガイドに手順を書いています。
初期費用の差より、スマホのセット割のほうが金額としては大きくなります。ドコモのスマホを使っているなら、セット割の対象になる光回線はドコモ光だけです。窓口はキャッシュバックが手厚いGMOとくとくBBを選べます。
初期費用を抑える方法
- 無派遣工事になるか確認する建物に設備があれば2,000〜3,000円程度で済みます。申し込み時に「宅内に光コンセントがあるか」を伝えると判定が早くなります
- 他社の違約金を負担するキャンペーンを使う乗り換えなら、前の回線の違約金と工事費残債を負担する窓口があります
- 分割回数の短い窓口を選ぶ24回払いなら、36回払いより早く負担がゼロになります
- キャッシュバックの受け取り時期を確認する早いほど確実です。翌月受け取りと12ヶ月後では、受け取れる確率が変わります
「実質無料」でも別にかかる工事費
工事費が実質無料の窓口でも、次のような費用は割引の対象外になっていることがほとんどです。申し込みの時点で避けられるものも多いので、先に確認しておきましょう。
| 追加でかかる費用 | どんなときに発生するか | 避け方 |
|---|---|---|
| 土日・祝日の工事の追加料金 | 工事日を土日祝にしたとき | 平日に立ち会えるなら平日を選ぶ。有給や在宅勤務の日に合わせる |
| ひかり電話・テレビの工事費 | オプションを付けたとき | 使わないオプションは付けない。必要なら後から追加できるか確認 |
| 特殊な配線工事 | 配管が使えず、壁の穴あけや長い配線が必要なとき | 事前に工事の内容を聞き、賃貸なら管理会社の許可も取っておく |
| 工事費の一括払い | 一括を選ぶと、毎月の割引が付かない窓口がある | 実質無料を使うなら分割を選ぶ |
たとえばGMOとくとくBB光は、基本工事費を36回の分割にして毎月同額を値引きし、36か月使えば実質0円になる仕組みですが、土日・祝日の工事の追加費用や、工事内容によって発生する追加料金は実質無料の対象外と明記しています。ほかの窓口もおおむね同じ考え方です。工事当日の流れと、穴あけなしで済む条件は光回線の工事は何をする?で解説しています。
いつ、何が請求されるか
初期費用は申し込んだ日に払うのではなく、開通後の請求にまとめて載るのが一般的です。家計の見通しを立てるために、請求の流れも押さえておきましょう。
- 開通した月:月額は日割りの窓口が多い。事務手数料はこの月か翌月の請求に載る
- 2か月目以降:月額+工事費の分割額−同額の割引。明細では2行が並んで差し引きゼロになる
- キャッシュバックの月:窓口によって開通の翌月〜1年後。受け取り手続きが必要なことが多い
- 分割の最終回:割引も同時に終わり、以降は月額だけになる
開通月は「日割りの月額+事務手数料」になるので、2か月目より請求が高く見えることがあります。最初の請求が想定より高いと感じたら、事務手数料が載っているかを先に確認してください。
工事そのものが不要な選択肢
賃貸で許可が下りない、すぐ使いたい、短期で引っ越す。このどれかなら、工事のいらない機種のほうが総額で有利になることがあります。工事費も工事費残債も発生しないためです。
| 光回線 | ホームルーター | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 3,300円+工事費 | 3,300円程度(端末代は別) |
| 使えるまで | 2〜4週間 | 数日 |
| 速度の安定性 | 有線で安定 | 電波状況による |
| 引っ越し時 | 撤去・再工事 | 持っていくだけ |
SoftBank Airはコンセントに挿すだけで使えて、ソフトバンク・ワイモバイルのスマホならセット割の対象になります。ただし2026年12月1日から月額が330円改定される告知が出ているので、総額は改定後の金額で計算してください。
よくある質問
工事費は分割と一括どちらが得ですか?
契約事務手数料は交渉で無料になりますか?
無派遣工事かどうかは事前に分かりますか?
引っ越すときも工事費はかかりますか?
キャッシュバックで初期費用は取り返せますか?
土日に工事をすると追加料金はかかりますか?
まとめ
- 初期費用は事務手数料(3,300〜4,950円)+工事費(戸建て約22,000円/マンション約16,500円)
- 「工事費実質無料」は分割払いを毎月の割引で相殺する仕組み。無料ではない
- 分割が終わる前に解約すると残債が一括請求される。割引も同時に止まる
- 総額は「使う予定の月数」を正直に入れて計算する
- 建物に設備があれば無派遣工事で2,000〜3,000円に収まることもある
- 短期・引っ越し予定があるなら、工事のいらない機種のほうが総額で有利になる場合がある
なお、初めて自分でネットを契約する場合は、初期費用そのものより初回請求に何が乗るかといつ申し込むかを先に押さえたほうが失敗しにくくなります。申し込みから開通までの全体像は初めてのインターネット契約ガイドにまとめました。
- NTT東日本・NTT西日本「フレッツ光」工事費・契約事務手数料の案内(2026年8月確認)
- 各光コラボ事業者の重要事項説明・料金ページ(2026年8月確認)
- ソフトバンク「SoftBank Air」料金ページ — 2026年12月1日からの月額改定の告知(2026年8月30日確認)
- 工事費・手数料は建物の状況と事業者により変わります。本文の金額は一般的な目安で、確定額は申し込み時の見積もりでご確認ください
- NTTドコモ:事務手数料の改定について(2025年8月5日)
- ソフトバンク:事務手数料の改定について(2025年7月18日)
- GMOとくとくBB光 公式サイト(事務手数料・開通工事費の条件)(2026年10月17日確認)
